私のトホホ散財日記
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追想 新撰組(武III〜新撰組愛刀名刀コレクション)


初っ端から、いいかげん旬を逸したネタで失礼します。

昨年暮れ、日曜日のお楽しみの一つだったNHK大河ドラマ「新撰組!」が終了しました。
通常NHK大河はあまり見ないNむら家だというのに、どういう訳か今作については非常に熱心に視聴していたのです。
こんなに熱心に見たのは、過去の「独眼竜 正宗」(1987年!)くらいまで遡れます。
しかも、最終回では主人公の近藤勇が「斬首」されるシーンで終わりました。(無論、歴史的にはこうなると知ってはいましたけどね・・・・)

つまり、楽しみだった番組が終わってブルー、しかも悲劇的結末に2度ブルー、な状態なのです。
おまけにブルーなのが、Nむらのみならず、あのクールなリアリストのスペ子(この方は歴史はトンと?な人なので結末に関するブルーは更に2倍!)もなのだから、どれだけこの番組に入れ込んでいたのかが分かろうというものです。

で、なんでまた今頃「新撰組!」についてクダクダ言っているのかというと、年末に配達された膨大な玩具の中に「仮面ライダークウガ」物があったのです(散財日記参照)。

で、この作品で一躍人気俳優になったオダギリジョー氏が「新撰組!」に斎藤一役で出演していたことを思い出して、またブルーになったという訳なのです。
おまけに、商品保護のために入っていた「四国新聞(いったいどこから買ってるんじゃい!・・byスペ子)」にも脚本家の三谷氏のインタビュー記事が載っていたものだからブルーさも2倍になったのです。

元々Nむらは、学生の頃、司馬遼太郎の「燃えよ剣」にハマって、これを繰り返し読んだ口なので、新撰組の悲劇的な最期や、そのラストサムライ的な生き様に共感しつつも、「自分には絶対無理」と思い憧れたりしていたのです。

だから、新撰組が大河ドラマ化と聞いて、素直に嬉しかった反面、その物語が到底ハッピーエンドたりえない事や、主人公が近藤勇という事で、非常に不安でもあったのです。
(「燃えよ剣」の愛読者にとって、新撰組の主役といえば土方歳三の事ですから)
その不安を言葉にすると「いったいどんなドラマにする気なんだろう?」に尽きました。
そして、実はこれで最終回まで引っ張られることになってしまったのです。

すなわち、番組が始まり、面白くなれば面白くなるほど「でも局長、結局斬首だろ?どうすんの?」という思いが募り、結局最終回まで付き合わされてしまったという訳です。

実際、番組は本当に面白く、個性豊かなキャストが新鮮な歴史の観点で作られた脚本により大変魅力的な新撰組を演じており、若い視聴者を多くTVの前引き寄せたと聞いています。
反面、歴史好きを自認する層からは、(多くはNむら同様、司馬遼太郎読者だと思うが)「こんなん新撰組じゃない!」といった批判も多く寄せられたそうです。

確かにNむらも「??」と思う構成も多々あったのですが、(特に、近藤勇を主人公として、ムリヤリ清廉潔白に描きたいために生じる歴史事象との矛盾とか。)基本的には新しい資料等を積極的に取り入れており、「おぉ、こういう解釈もありか」と思える意欲的な作品だったと思っています。

欲を言えば「もっと通常の隊務&チャンバラ&戦のシーンを・・・」となります。

作品の終盤で、落ち目になってしまった新撰組に対して一般の人が「京都で暴虐の限りを尽くして、その報いだ(うろ覚え)」と罵るシーンや、土方が「不逞浪士を何人斬ったか知れねぇ(うろ覚え)」と言うシーンがあるのですが、ドラマ的には、池田屋事件以外には、あまり「斬って斬って斬りまくる」という演出もなされなかったこともあって、Nむら的には、「そんなに斬ってないよ(若しくは「そんなに悪いこともしてないよ」)」という印象になっております。

個人的希望としては、前述の台詞を聞いた時、「まぁ、確かに沢山斬っていたもんなぁ、長州に恨まれてもしゃぁないか」と自然に思える程度には血生臭くして欲しかった所。

本作は、チャンバラよりも「素顔の新撰組隊士」みたいなところに力点が置かれていて、そこが人気の一つでもあったのでしょうが、結果として「なんでこんなに嫌われてるの?この人達?」という印象になっているのがやや残念でした。(確かに新撰組の歴史は、暗殺&戦がターニングポイントとなってはいるけど、そのポイント間を厚く描かないと、繋がりが曖昧になって、歴史の教科書みたいになって、却って分かりにくくなっちまうのだなぁ)

さて、例年NHK大河ドラマの舞台となる地には大勢の観光客が訪れるそうですが、昨年は新撰組の活躍の本拠が京都ということもあり、かなりの盛況ぶりを示したとのことです。
また、いろいろな関連商品が販売されたりもしたそうです。
変わったところでは、新撰組のチョコやポテチがあり、NむらもN市内のコンビニで売っている所を目撃したことがあります。
これには、シールやビニール製のマスコット(デザインは番組の終わりに出てくるアノ隊士と犬)が付いていた様でしたが、どれほど売れたのかは判然としません。少なくともNむらに買う気を起こさせる事はありませんでした。
とはいえ、大河関連(しかも幕末物)で菓子が全国発売されるなど前代未聞の出来事なのではないでしょうか。(くどいようだが、もしあったとしてもNむらは買いませんけどね)

そんなNむらにも所有している新撰組Goodsがあります。過去の散財日記でチョロっとだけ紹介した、鑑賞用ミニチュア武器置物「武(もののふ)III」1/6サイズの「新撰組名刀コレクション」です。
箱買+ネットオークションにより全6種+シークレットをGETしました。
内訳は以下のとおりです。


虎徹 (新撰組局長 近藤 勇)
兼定 (新撰組副長 土方 歳三)
清光 (一番隊隊長 沖田 総司)
氏繁 (二番隊隊長 永倉 新八)
国重 (三番隊隊長 斉藤 一)
兼重 (八番隊隊長 藤堂 平助)
吉行 (坂本 龍馬)シークレット
(あ、キルビルDVDの購入特典の1/10ハットリハンゾウも写ってる・・・・)

Nむらは、この商品の発売情報を聞いた時、心中密かに「よーし必ず全部そろえちゃる」と固く決意した事を今でも覚えています。

と、言うのも、新撰組の魅力を語る時の大きな一つのポイントに彼らの佩刀があるからです。
前述の「燃えよ剣」の中では、京に向かうに際して土方歳三が兼定に拘って、これを入手する過程が細かく描かれています。
この辺りはNむらも大好きなので、何度となく読み返した所です。

また、司馬遼太郎の別著「新撰組血風録」では、「近藤勇と虎徹」「沖田総司と菊一文字」の話が短編で物語られており、これも何度となく読み返した作品です。
これらを読むと、彼らの「刀」(その銘)への拘り様から、「武士になりたい」と願った近藤達にとって「刀」は、素朴な意味で「武士の魂」の具現と思える存在であったのだということが感じられます。

それ故彼らの佩刀に関するエピソードを読み、その模型を手にする時、「刀」が武士にとって、単なる道具を越え、「魂」とさえ呼ばれる事の意味と、近藤達の思いが「武士の時代」が遠い過去になった現代を生きるNむらに、ストレートに伝わってくるように思います。

その新撰組の大きな魅力の一つである佩刀が、1/6サイズとはいえ手に入ったことは大変嬉しいことです。
事ある毎に引っ張り出しては眺めてニタニタしています。今後もニタニタすると思います。

さて、今年のNHK大河は「義経」。
また悲劇の英雄ということで、なんか暗いなぁ。
世相を反映しているんでしょうか?
イマイチ見る気が起きませんが、どうなるでしょうか。